腰痛の対策や予防、治療方法は数多く紹介されていますが、腰痛対策として「教育」が注目されています。
医療が進歩して対応できる病気や症状が増える中、不思議なことに腰痛に関しては対策むなしく顕著な成績があがっていません。
右肩上がりに腰痛で悩む人が増えていて、数々の治療法があるにもかかわらず対策がうまくいっていないことは以前ブログで記事にしたとおりです。
手をつくしても腰痛が減らない現状に、整形外科の先生の中には「我々は腰痛治療から手を引いたほうがいいのではないか?」と腰痛治療自体に対して疑問を持っている先生もいます。
そんな中、研究分野では「教育」が腰痛の経過に影響を与えることが示され注目されています。
「腰痛教育」というと、
などに代表されるようなルールを思い浮かべる方が多いと思います。
私が利用者様とお話させていただくと、ほとんどの方が上記のルールを信じています。しかしこれらは「古い」教育です。
古くても効果があれば問題ないのですが、悲しいことにこれらのことは既に効果がないことが証明されています。さらに悲しいことに多くの方が「古い教育」を固く固く信じ込んでいるのです。
「信念と事実は別」である可能性もありますから、効果がないと証明されていることがわかっている以上私は古い教育を利用者様にすすめることができません。
では「新しい」腰痛教育とはどのようなものなのでしょうか?また効果の程はいかなるものなのでしょうか?
新しい腰痛教育の前提として「腰痛を過度に恐れないこと・根拠に基づく正しい知識を持つこと」があげられます。
例えば「良い姿勢」は普通に考えればピンと背すじの伸びた姿勢をイメージしますが、「良い姿勢」には科学的にも医学的にも明確な定義は今のところなく、姿勢が悪いからと言って必ずしも腰痛になるわけではありません。
また「脚を組むから良くない」ことも科学的に証明されておらず、必ずしも腰痛に悪い影響を及ぼすかどうかはまだわかっていません。
(ちなみに夏目は特に姿勢が良いというわけでもないですし脚もめちゃめちゃ組みますが腰痛はありません。)
「腰痛を怖がらずに動くようアドバイスした場合」と「従来の治療法」を比較した研究では、アドバイス群が職場復帰70%長期欠勤30%だったのに対して、従来の治療法では職場復帰40%長期欠勤60%だった結果を見ると、今までの方法では効果が限定的だったと思わざるをえません。(参考Indahl A. et al:Spine,1955)
また「時間をかけて丁寧に説明し、患者を勇気づけ自ら腰痛に立ち向かうことを促した場合」と「受け身的な治療と安静をすすめた従来の方法」を比較すると、前者のほうが画像検査の実施率と医療費が減り、患者満足度が上がることがわかりました。(参考McGuirk B. et al:Spine,2001)
これらの研究を参考にするならば改善率の点で新しい教育を受けた人のほうが結果が良かったことがわかります。
腰痛教育や知識には新旧があり、その差は歴然です。
古い教育では腰痛を「機械的・主観的・恐怖の対象」と捉えるのに対して、新しい教育では「全人的・客観的・安心を与えて励ます」ことに軸足を置いています。
夏目接骨院でも新しい教育を取り入れて施術や説明を行っていますが、新しい教育にも問題点がないわけではありません。
問題点は「方法が確立していないこと」、「結果に個人差があること」。
方法が確立していないことは問題点ではありますが、個人個人に寄り添った説明が必要なため理解度に個人差があることを考えればシステマチックにならないことこそが利点になるかもしれません。
また万人に有効で完璧な治療法は存在しませんから、新しいからと言って100%の確率で改善するというわけではありませんので期待のしすぎは禁物です。
ただ古い教育に比べれば効果があることは研究により明らかになっていますのでその点は信頼していいと思いますし、従来の方法で効果がなかった人にこそ「腰痛に関する新しい教育・知識」は必要だと考えています。
腰痛改善のために教育レベル知識レベルから見直すことは非常に勇気のいることです。幕末に黒船が来た時のように異文化との接触ほどのインパクトがあるかもしれません。
どんな知識も客観性をもって批判的にでもいいから接してみることが問題の解決につながるかもしれません。
この記事を書いた人
夏目幸宗(柔道整復師)
慢性腰痛やぎっくり腰などの腰痛改善アドバイスに強みを持つ接骨院です。科学的根拠にもとづく腰痛対策を提唱実践しています。
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