脊柱管狭窄症についての相談が多いのですが、中でも「手術したほうがよいかどうか」という問題が大きな悩みとなるので一度まとめてみたいと思います。
脊柱管狭窄症といえば高齢者の方に一般的にみられる症状で、当院でも相談の多い症状のひとつです。手術を検討される方も多く、周りに手術を経験された方もいるかもしれません。
手術を検討しなければならなくなったとき一番気になるのは「ほんとうに手術で良くなるかどうか」だと思いますが、脊柱管狭窄症ガイドラインでは手術の成績について「4~5年は70~80%の人で良好だが、それ以上長期になると低下することがある」としています。
言い方が微妙なのは複数の論文をもとにしていて、結果が全部そろっていないため仕方がないことですが、それにしても何とも捉えどころがありません。
4~5年を境に10~12年後では良好な結果が60~70%と徐々に低下すると報告している論文があったり、長期的に良好な結果を維持すると報告しているものもあります。
多くの研究で5年以内の成績は良好とされているので、ひとまず「5年以内の成績は良さそう」と判断できますが、確率ですから保証はないこともまた押さえておかなければなりません。
では手術せず脊柱管狭窄症を放置した場合の結果はどうでしょうか。
ガイドラインのまとめによると約半数が良好な自然経過をたどるとしていて、その中には保存療法(手術以外の方法)の手を借りた症例もあるものの、軽度~中等度の人では良好な結果が期待できるようです。
また論文の中には「手術に移行にてしまう例も多く自然経過が明らかでない」とするものもあるので、一概に脊柱管狭窄症の自然経過を語れるものではないという一面もあります。
「放置すると歩けなくなりますよ」「手術しないと歩けなくなりますよ」と病院で言われたという話をよく患者さんから聞きます。言われた方は恐怖におののくわけですが、この「歩けなくなりますよ」というのはある意味で真実です。
なぜなら誰でもいつかは歩けなくなるからです。
脊柱管狭窄症が原因かどうかは別として人間である以上いつかは歩けなくなる日が来ます。手術をしてもしなくても、です。
ですから「放置すると歩けなくなる」かどうかはわからない、放置したら歩けなくなるかもしれないし(いつまでかはわからないが)歩ける状態を維持できるかもしれない、というほうが事実に近いと言えます。
予言のように聞こえますが、未来のことは誰にもわからないですし、上記のように軽度~中等度の脊柱管狭窄症であれば自然経過が良好なものもあることを考えると不安になったり悲観的になるよりも、自分の置かれた状況を冷静に分析するほうが先です。
もちろん重度の場合や本当に手術を選択しなければならないような状態もありますから、しっかり情報収集した上でドクターの言った言葉を受け止めるという準備が必要と言えるでしょう。
さて、ここまで脊柱管狭窄症の手術後4~5年の経過や自然経過についてお話してきましたが、最終的に手術をするか否かは緊急の場合や重篤な場合を除いてはご自身で判断しなければなりません。
手術をしなくても自然経過で良好な場合もあれば、手術をしても20~30%の人は良好でないという報告もあるわけですから、結局手術は「やってみないとわからない」という性質があることを理解しなければなりません。
誰だってできれば手術はしたくないと思いますが、するとなればある程度ご自身が納得した上で決断したいものです。
「手術しないと歩けなくなりますよ」と言われても焦らずに情報収集して検討することで、例え手術になっても自然治癒を待つのも自分で納得いく選択ができる人が増えることを願います。
脊柱管狭窄症についてはこちらにもまとめてありますので一度お読みになって理解を深めていただけるといいかもしれません。
脊柱管狭窄症の手術をするべきか否かは非常に多い相談です。また、周りにも手術をした方が多い疾患だと思います。
そのため、すでに手術を経験した人に「早くやったほうがいい」とすすめられることや、「やめておいたほうがいい」と止められることがあり悩んでしまうことがしばしばあります。
周りに成功した人が多ければ手術をすすめられる頻度は増しますし、失敗した人が多ければ止められる頻度が増します。
なぜこのようなことが起こるのかと言うと、「手術の結果が人によって違うから」です。ある人はうまくいって、ある人はうまくいかなかった。それだけのことです。
どちらの意見を聞いてもそれに偏らないように手術の結果には色々なパターンがあることを知っておくべきです。
周りにうまくいった人が多いから手術をしてみたら自分はうまくいかなかった、不安にかられて焦って手術をしたが良好な結果が得られなかった、ということは普通に起こり得ます。
手術をするにしてもしないにしても、適切に情報収集をしてご自身で判断しご自身で決断するのが肝心です。
この記事を書いた人
夏目幸宗(柔道整復師)
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