原因探しは腰痛の人にとって大きなテーマです。しかし扱いを間違えると良い結果から遠ざかってしまいますので注意が必要です。
腰痛の原因についてお悩みの方は最後まで読んでみてくださいね。
検査もしていないのに過去に言われた一言で原因を決めつけていたりしていませんか?また、ネットで情報収集しては当てはまるものを探して「あ、自分はこれだ」と自己診断している人もかなりいると思います。
ご自分で思っている腰痛の原因、ほんとうに合ってますか?
腰痛の原因、気になりますよね。ヘルニア、脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、腰椎症、変形、背骨の歪みやズレ、筋肉の硬さ、筋膜の異常、椎間板の異常、疲れ、ストレス、肥満、内科疾患その他の腰痛を引き起こす疾患。
数を上げればキリがありません。
ではこれらの原因にあてはまる人、的確に原因が判明している人はどれくらいいるでしょうか?今この記事をお読みのあなたはご自分の腰痛の原因にたどりついていますか?
一度診断されている人は「これ!」という原因があるかもしれませんが、「たぶんこれ」「これだと思う」とお答えになる人が多いのではないでしょうか。
腰痛の原因は誰もが知りたいことです。「良くするためにまずは原因をみつけなければ」と考えることは自然な心理です。
しかしながら先ほども申し上げたように自己診断したり過去に診断されたことを今現在の腰痛にも当てはめることは果たして正解なのでしょうか。
理想的にはその都度その都度検査をして的確な診断が下り、適切な治療を受けることがベストでしょう。ところが現実は違います。的確と「思われる」診断で、適切と「思われる」治療でいったいどれだけの人が成果を出しているでしょうか。
もちろん多くの方がそれで助かっている事実もありますが、その網から漏れてしまう人が一定数いることも事実です。でなければこんなにも腰痛の人がいるはずがありません。
今度は「原因について」のたとえ話をします。頭の体操です。
『原因<行動』というイメージをつけてもらえるといいと思います。
たとえば手が滑ってグラスを落として割れてしまったとします。そのときあなたは「なぜ手が滑ってしまったのだろう」「なぜ落としてしまったのだろう」「手がおかしいんじゃないか」とは考えないはずです。
きっとケガをしないように割れたグラスを片付けると思います。そして「今度からは気をつけよう」と考えると思います。
またたとえば、足の小指を家具の角にぶつけたとします。「ぶつけた原因はなんだろう」「家具を認知できなかったなんて脳がおかしいんじゃないか」「なぜこんな所に角があるんだろう」とは考えませんよね。
「気をつけなくちゃ」と思いながら、手でさすったり湿布を貼ったり、小指が早く良くなるための行動に出ると思います。
もうひとつ。
顔の小じわが増えたとしましょう。「なぜこんなにシワが増えたのだろう」「シワが増える原因は?」「なにかの病気じゃないかしら」とお思いになるでしょうか。
エステに行ったり美容液を使ったり食事を改善したり表情筋を使う運動をしたり、原因を考えるよりも行動に移したほうが成果が出そうですよね。
さらにもうひとつ。
体力が落ちた時、どう考えますか?「変な病気じゃないかしら」「この力のなさの原因は?」と考えるでしょうか。急激に体力が落ちてしまう変な病気ではない限り、ウォーキングを始めたりスポーツジムに行くことを考えたり階段を使ったりと行動に出るはずです。
たとえ話で何が説明したいかと言うと、原因も大切ですが何をすべきかという「行動」が大事ということです。
何かを解決するには具体的な行動が必要です。「いやいや先生、例えが極端でしょ。腰痛はちゃんと原因を解明しないと。原因がわからずに行動できないでしょ。」と思われるかもしれませんね。
たしかに腰痛の原因究明は必須です。ただし、鑑別が必要とされている重大な疾患、痛みが強すぎてまったく我慢できないものに限ります。
「鑑別が必要な疾患」とはガンなどの命にかかわる疾患や骨折などの外傷、または放置すれば生活に支障をきたすような疾患です。
「痛みが強すぎてまったく我慢できないもの」とは上記の「鑑別が必要な疾患」以外のもの、すなわち椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの症状の中で、長い目で見れば回復する可能性があるものの我慢できない激痛があるようなものです。
この「鑑別が必要な疾患」「痛みが強すぎてまったく我慢できないもの」二つに該当しなければ原因究明は必須ではないでしょう。
「でも原因究明しなくて何か変な病気だったらどうするの?」という声もあるかもしれません。おっしゃる通りです。そのために検査があるのです。
何か変な病気が潜んでいないか確認するために病院や検査があるのです。日本のドクターも検査機器も検査技術も優秀ですから、変な病気があればまず見つけるでしょう。
腰痛に関するガイドラインでも、そもそも「腰痛に対してレントゲン撮影は必須ではない」とされていますから、検査機器を使ってまで原因究明するべき疾患はかなり限られていると言えます。
ですから検査でさきほど説明した二つに該当しないことが一旦わかれば、とりあえず安心して改善のための行動に入るべきでしょう。
実際のところ、自己診断でも(病院、接骨院、整体など)他者から受けた診断でも的確なものばかりではないように思えます。
診断の正確さよりも「はっきりさせたい」という欲求が先行していて、とりあえず納得しているという人が多い印象があります。
というのも診断と一般的な医学的見解のズレがかなりあり、自覚症状のバリエーションが多いのが腰痛の一面です。これは各症状(椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症等)がまだ完璧に把握されていない可能性があるという問題もありますが、「ラベリングされたい」という欲求もあるような気がします。
ラベリングとは、「私は◯◯だ」「あの人は◯◯だ」などと物事の評価を固定的に決めることで、「レッテル張り」と呼ばれることもあります。
ラベリングは悪く取られることもありますが、所属意識が高まるので安心できたり、とりあえず評価が決まれば納得できるので作用としては悪いことばかりではありません。
「あなたはヘルニアです」と言われれば診断が正確かどうかは別としてもとりあえず「原因をはっきりしたいという欲求」は満たされ、一応は納得できます。
しかし診断が決定したからといって直ちに良くなってしまうということはないのが腰痛という症状の持つ難しさでもあります。
夏目接骨院では原因が判明していても、はっきりわかっていなくても(もちろん重大な疾患は別ですが)まずは痛みに対して為すべき行動を考えるようにしています。
「原因を無視しているようで不誠実だ」と思われてしまうかもしれませんが、無視するのではなく原因を一つの考え方ととらえて一旦横に置いておき、「だからこそ今できることはなんだろう」と考えてみるのです。
腰痛には長引くほどに原因が気になる悩ましさがあります。しかし原因探しに時間を取られて「良くするための行動」に移れないようでは問題は深まるばかりです。
原因探しで袋小路に入ったときはもう一度原点に戻ってみましょう。あなたが解決したいのは原因の解明ですか?それとも、腰痛の改善ですか?
この記事を書いた人
夏目幸宗(柔道整復師)
慢性腰痛やぎっくり腰などの腰痛改善アドバイスに強みを持つ接骨院です。科学的根拠にもとづく腰痛対策を提唱実践しています。
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